留置所とは警察に逮捕された後、起訴され保釈もしくは拘置所に移されるまでの期間、身柄を勾留される警察署内の施設です。
留置所に勾留されている間は刑事による取り調べが行われ、留置担当官に生活の世話をされます。留置所の生活や刑事からの取り調べの実情は、刑事ドラマや報道されているものとは割と大きく異なります。
本サイト「留置所という場所のこと」では、実際に留置所に40日程度勾留された経験から「逮捕から勾留まで」「留置所に勾留されている期間」「保釈後から裁判まで」に分けて留置所の実情を記事にしています。
家族や知人が留置所に居て心配だ、今後逮捕され留置所にいくかもしれない、小説で留置所のことを書きたいなど、どこかに需要があるかもしれないのでそういった人の参考になれば幸いです。
目次
逮捕から留置所に勾留されるまで
刑事ドラマでは犯人は逮捕される前に刑事になんども訪問され、話を聞かれ、証拠が集まった時点で逮捕されます。実際は異なっており、ほとんどの場合、逮捕されるまで、警察に調べられていることも自覚できません。
いきなり朝、警察が家にやってきて家宅捜索で証拠を押さえられる、その後に逮捕状を見せられ逮捕される、というのが逮捕の現実です。
逮捕から勾留までの記事一覧
留置所での生活
逮捕されたその日から留置所での生活がスタートします。留置所に勾留できる期間は48時間ですが、その48時間の間に検察に送られ取り調べを受けます、これが送検です。その後、裁判所で裁判官に事情聴取され、検察・裁判官ともに勾留の延長を認めると、その日から最大20日間、勾留が延長されます。
勾留中には警察の取り調べ、検察の取り調べ、弁護士とのやりとり、家族や知人との面会など様々なイベントが発生します。
そして1日の大部分を過ごす留置所ですが、とにかく暇です。早く取り調べに刑事が来てくれないかなと思うくらい暇です。意外かもしれませんが、留置所でボーッとしてるよりは取り調べの方が全然楽なんです。だって取り調べなんてそのへんのおっちゃんと雑談してるくらいの軽さなので。
留置所生活について
留置所内での生活と、留置期間中のメインイベントである取り調べは全くもって切り離されています。取り調べの担当刑事は留置所に入ることは許されておらず、留置所で身の回りの世話をしてくれる担当官は事件がどうなってるのかも知りません。
留置所での生活はドラマなどでは過酷に描かれることが多いですが、実際はそんなに…って感じです。3食昼寝付きで、洗濯も他人がやってくれ、風呂もまあまあ入れる。とにかく暇ということを除けば、もっと言えばスマホさえあれば留置所生活は全く苦ではないという人も結構いそうです。
留置所生活についての記事一覧
差し入れや面会
知り合いや家族が逮捕され留置所に勾留された時に最も気になるのは、差し入れ関係や面会関係。何故か差し入れ=大量の着替えという考えの人が多く、私の親もそうでした。着替えは留置所で貸してもらえるので、とにかく欲しいのは暇つぶしの本と、差弁のお金と、事件の情報です。
面会や差し入れに関する記事一覧
留置所期間の弁護士について
弁護士、特に国選弁護士に関して留置所内の被疑者同士では「弁護士ガチャ」と呼んでいることもあります。それほど当たり外れに差があります。使えない弁護士を引いた時は諦めましょう。使える弁護士に当たったなら適期うまく頼っていきましょう。
弁護士や法律関係の記事一覧
保釈から裁判まで
逮捕されて20日の勾留期間中に起訴されると、保証金を払っての保釈か保釈が認められずの起訴後勾留になります。起訴後勾留が一番辛い期間とも言われてます。起訴されてるので取り調べもなければ、懲役で仕事もない、拘置所に移され独房でエアコンなし、という状況です。
一方保釈されれば、生活に自由を取り戻すことができ執行猶予の獲得も視野に入れることができます。
保釈生活と裁判までの記事一覧
外伝:銀行口座凍結
私本人なのか知人なのかはさておき銀行口座凍結という事態に陥った人の体験記です。振り込め詐欺救済法という法律の成立によって、警察から銀行に通達するだけで簡単に個人の銀行口座を機能不能にすることができるようになりました。
この法律の効力は強く、凍結を行うべき明確な根拠がなくても疑わしければ凍結できてしまいます。とりあえず凍結しとくということが可能です。そして一つの口座だけが凍結されることはほとんどなく、個人が保有する生活口座を含めた、なんの嫌疑もない口座まで全て凍結されます。
全ての口座が止まればそれに伴う光熱通信費の支払いも不可能であり、給与の受け取りもできなくなります。そして警察によって凍結された口座が一生凍結解除されないなんてこともザラに起こり得ます。
警察によって振り込め詐欺救済法に基づき口座を凍結され不安に思ってる人や、情報を求めている人向けに、あくまで1体験ではありますが具体的な流れを追って記載していくのが本テーマの目的です。
銀行口座凍結から解凍に関する記事一覧
最後に
本サイトの執筆者は被疑者を擁護してるわけでも、捜査機関を揶揄してるわけでもありません。個人的に体験した事実を単純にそのまま綴っている点をご理解いただけますと幸いです。
全ての留置所や裁判が個人的体験と合致するとは思っていませんが、報道やドラマ伝えられるものもまた現実とは乖離していると感じます。本サイト記載の事項は、ある個人の事実であるが、それ以上でも以下でもないと捉えていただけると有り難いです。