刑事事件の裁判の基本回数は3回、内容や期間について

刑事事件の裁判について一般的な流れを紹介します。殺人などの重犯罪でなく、テレビ等で大きく取り上げられてないない事件(刑事事件の99%くらいは該当しそうですが )における裁判を想定しています。

略式起訴、略式裁判というパターン

わざわざ法定を開廷する必要がないような軽微な事件の場合、略式起訴→略式裁判→略式命令という形で裁かれます。これらはすべて書面上の手続きだけで済ませるので裁判所に行く必要もなければ、判決を聞きに公的機関を訪問する必要もないです。

これは主に罰金刑の際に取られる手法です。略式起訴になった時点で略式裁判になることがほとんど、そして罰金刑の略式命令が出ることがほとんどです。

懲役であれば、判決の瞬間に被告を拘束する必要がありますが、略式裁判では拘束できません。つまり裁判の形式が略式と決まった時点で、懲役刑の可能性はなくなるんです。判決が出てないのに判決が既に決まっている、おかしな話ですがこれが司法というものです。

通常の裁判のパターン

地方裁判所に出向き、裁判を受けます。回数はおおよそ3回、2回の場合もあります。特殊な犯罪でなければ、裁判の回数はおおよそ3回だと思って大丈夫です。3回それぞれやることを紹介していきます。

1回目:罪状認否と証拠調べ手続き

罪状認否

検察が被告人に対して罪状を読み上げます。逮捕状に書かれてることとだいたい同じですがある程度精査されたものになります。「被告人は○月○日に窃盗に押し入り~現金○円を盗んだ」みたいなやつです。

これに対して間違いないかどうか聞かれるので、間違いないです、もしくは間違っています、と答えるのが罪状認否です。日本の事件は罪を認めていることがほとんどです。

証拠調べ手続き

証拠調べ手続きは検察と弁護士が裁判所に提出する証拠を続々と読み上げます。検察から提出される証拠は多く、被告だけでなく被害者側や関係者の聴取、その他事件の裏付け資料も大量に提出されます。これらの証拠を裁判の証拠として認めるかどうか弁護士が回答します。拒む理由もないのでほとんどの裁判ですべて承認されてると思います。

弁護士からも証拠として提出するものがあれば読み上げ、検事が了承するか回答します。弁護士からは非常に少なく、私の場合は被害者宛に出した謝罪文だけでした。

これで第一回法廷は終了です。時間は30分ほどでしょうか。ほとんど検事の提出証拠を読み上げる時間です。被告人は最初に氏名と住所を答え、罪状について認めるかどうか答えるだけです。

2回目:求刑と口頭弁論、証人弁論、結審

求刑

被告にとって2回目が本番となります。まず検察からの求刑があります。「被告人に懲役1年半を求める」と具体的な量刑とその理由が述べられます。弁護人からも量刑について述べます。

否認事件なら無罪を主張するでしょうが、罪を認めてる事件では「情状酌量の余地があり社会での更生機会を与えるのが妥当」くらいです。執行猶予を付けてくれと求める時はこういう文言になります。

執行猶予の見込みがなく、単純に量刑を減らしてほしい時は「被告人は反省の弁を述べており寛大な判断を求める」みたいになります。この求刑によって大体の判決が予想できるので求刑はよく聞いておきましょう。

口頭弁論

検事、弁護士からそれぞれ、犯行の動機や、今後の生活、被害者に対して思うことなどを聞かれ答えます。裁判官から質問されることもあります。弁護士との質問のやり取りは事前に打ち合わせできるので、答えに詰まらないように、悪印象にならない答えを用意しておくべきです。

検事からの質問もある程度固定化されていて、弁護士から事前にされそうな質問を聞いとくと良いと思います。

執行猶予を狙う場合であれば、誰の監視のもと生活するのか、仕事はどうするのかなどは回答必須事項であるので予め回答を決めておく必要があります。

証人弁論

証人を裁判に呼び、検事、弁護士、裁判官から質問、回答を行うパターンです。弁護側が情状酌量のために今後の監督者となる親族を呼び、今後面倒を見ると宣言してもらうのが一般的でしょうか。

結審

これで裁判の審理は終了するということです。一般人からすると裁判の終了=判決と思いがちですが、違います。裁判の審理終了は結審と呼ばれています。結審自体は特に何をするでもありませんが、結審された次の裁判で判決が言い渡されます。

第二回法廷の時間もだいたい30分くらいでしょうか。証人が多ければその分、時間がかかるといった感じです。

3回目:判決

審理に基づき判決が言い渡されます。判決が出た時点で、保釈が取り消されます。取り消しというより保釈期間終了です、保証金は戻ってきます。執行猶予や罰金など非拘束の判決であればそのまま帰れますが、懲役刑などであればその場で拘束され拘置所へ移されます。

判決は時間にして5分ほどだと思います。地方裁判の判決後、判決に不服があれば弁護側、検察側それぞれ控訴期間中に控訴することが可能です。期間中に控訴がなければ判決が確定となります。

裁判期間はおよそ2ヶ月から3ヶ月

裁判は起訴されて約1ヶ月後に第一回、その約1ヶ月後に第二回、その約1ヶ月後に第三回みたいな流れが多いです。検事、弁護士、裁判所の全員の予定を合わせる必要があるため、ゴールデンウィークやお盆の期間は開廷されにくく、これらの期間を挟むと2ヶ月くらい間が空くこともあります。

平易な事件であれば第一回のうちに結審まで済ませることもあります。薬物使用とかは2回で終えてるパターンも多いように思います。

スポンサーリンク
レクタングル
スポンサーリンク
レクタングル
コメントの入力は終了しました。