留置所での具体的な1日のスケジュールを踏まえておきましょう。やたら辛いのでは?メンタル的にやられるのでは?と想像されますが、実際のスケジュールだけ見ると特にそんなことはありません。
とにかく暇。暇が一番しんどい要素で、むしろ時間が早く進むので、私の場合は取り調べは歓迎くらいの感覚で過ごしていました。
目次
起床から就寝までの留置所内スケジュール
留置所によって細かい時間は変わりますがおおよそ以下の流れで1日が進んでいきます。
- 7時 起床→掃除→洗面→点呼→運動
↓ - 8時 朝食
朝食後書籍やノート等持ち込みOK
↓ - 12時 昼食 ラジオニュース
↓ - 18時 夕食
↓ - 20時半 書籍やノート等回収
↓ - 21時 洗面→点呼→就寝
※運動は警察署内の壁に囲まれた屋外で髭剃りなどをすることで走ったりはしません、狭くてできません。外の空気を吸えるくらいです。
※週に2-3回お風呂に入れます
※週に1回程度私物の衣類を洗濯できます
留置所内の居住空間について
警察署内の留置所は基本的にエアコンが完備されており、日中は室温が管理されています。冬はちょっと寒くて、夏はちょっと暑いくらいがキープされているイメージです。
古い警察署だと刑事の部屋ではエアコンがなかったりします。そういう刑事が留置所の巡回にくると「ここはあったかくてええよなぁ」とか言ってきます。まだ無罪の身ですので、ある程度の環境保障を感じます。
留置所内の起床就寝について
寝る際には、留置所の房内で布団を敷いて寝ます。布団は常時房内にあるのではなく、留置所内の押し入れに入っており、寝る前に出して起床後片付けるという流れです。布団の内容は敷布団、敷布団シーツ、掛布団、掛布団シーツ、枕、枕カバーがセットです。冬は毛布も配布されます。
誰がどの布団を使うかを決まっており、勾留期間中は同じ布団を使用します。留置所に入ったタイミングで洗濯されたシーツと枕カバーを渡されますが、シーツとカバーの入れ替えはほとんどなくずっと同じものを使います。噂によると2ヶ月に1回とか、汚れが酷くなったら交換してもらえたりするらしいです。
留置所内の食事について
留置所内の食事は1日3食支給されます。どのような食事を用意するかはその警察署の裁量に任されている部分が大きいです。食堂がある大きな警察署は食堂で留置所の食事を用意できますし、近くに弁当屋や給食配給業者があればそこに依頼することもあります。
食事は最も留置所によって上振れと下振れが激しいです。良いところでは昼夜は弁当屋のホカベンが出たり、朝食は菓子パンとコーヒー牛乳が出たりします。
悪いところでは、具の入っていないおにぎり2つに、唐揚げ1つ。これが毎日続くみたいなこともあります。基本の食事に関しては全て無料、つまり税金です。あまり食事が良いと、生活困窮者がワザと犯罪を起こして入ってきたりして困ると刑事が言ってました。
留置所内の新聞・ラジオニュースについて
留置所では毎日、その日の新聞が回されて閲覧することができます。また昼食時にその日の朝のニュースがラジオで流されて聞くことができます。ニュースはラジオでやってる朝6時のNHKニュースです。
ニュース関係の決まりとしてその留置所に勾留されている人のことが言及されていれば、新聞は切り取られ、ニュースはカットされます。理由はよくわからないです。どのように報道されているかなどは弁護士から聞くことが出来るので隠す意味も感じません。
留置所内の持ち込み物について
朝の朝食後から就寝直前までは、留置所内に書籍の持ち込みが可能です。暇つぶしに小説を読んだり、取り調べの経緯をノートにまとめたり、釈放後留置所のサイトを立ち上げるために記事を執筆したり、知り合いに手紙を書いたりできます。
留置所内の洗面について
洗面は歯磨きと顔を洗うことができます。歯磨き1本、歯磨き粉、固形石鹸は支給されます。私物に交換することもできます。水道が使えますがこのタイミングで髪を洗うことは許されません。
留置所内の洗濯について
週1度程度、私物の衣類に限り洗濯してもらえます。洗濯機を回したり乾燥させたりするのは留置担当官の仕事になるので、洗濯物をカゴに放り込んでおけば洗濯してくれます。
留置所内の風呂について
夏は週に3回、冬は週に2回、風呂に入れるというシステムをとっている留置所が多いです。留置者専用の風呂場があり、各人15分ずつ程度の時間で順番に入ります。
みんなで同じお湯を使うので、気遣いが必要ですが、留置者の人間クオリティはお察しの通りですので汚い入り方をする人もいます。みんなそういう人より先に入りたいと希望しており、担当官にお願いしたりします。
留置所内のトイレについて
トイレは留置所の房内に設置されているのでいつでも利用可能です。水道は入水自殺できないような設計になっていて、ずっと押してないと出ない、溜めることは不可、蛇口が狭くて顔を入れられない等の工夫がされています。
留置所内の運動について
運動という名のひげ剃り&雑談時間です。各留置所には4畳~6畳くらいの中庭のようなスペースが有り、そこに留置者数人まとめて10~20分程度入ります。そこで出来るのは、ひげ剃りや軽くカラダを動かしたり、日光浴くらいです。ひげ剃りは電動シェーバーが貸し出されるのが普通です。
留置者とそれを監視する警察官が一同に集まるので、警察官も含めて雑談しやすい空間でもあります。運動での雑談が唯一の楽しみだという被疑者も居るほど。ラジオ体操などの運動はしません。
雑談OK、昼寝OK、お茶は飲み放題
留置所は複数の房で構成されているのが普通で、一つの房に1人~3人くらい入っています。同じ房内で会話するのは自由です。隣の房の人と話すのもOKで、隣と会話するためには大声を出さないとダメですが、大声出してもOKです。
寝転ぶのも昼寝するのも自由で、日中ずっとダラダラ寝ていても何も言われません。飲み物だけは希望するといつでも貰えます。
あまりにダラシないと注意を受けますが、規律を守りつつダラダラすることは基本容認されてます。
留置所生活で占める取り調べの割合
留置所でのメインのイベントは刑事による取り調べになります。どれくらい取り調べがあるのでしょうか。
取り調べの時間や頻度は多くない
被疑者は受刑者ではないため、留置所にて労役に相当するものはありません。上記スケジュールで空いてる時間に刑事の取り調べが入ります。よっぽど自供に頼らざるを得ない難解な事件であれば別でしょうが、ほとんどの事件では空き時間にみっちり取り調べが入ることはありません。
同じ留置所に完全黙秘(雑談にも応じず取調べ中ずっと黙っている)の人がいましたが、取り調べに呼ばれる回数が多いわけでも時間が長いわけでもありませんでした。自供がなくても証拠が揃っていれば、取り調べ室にカンヅメにされることはないようです。
取り調べは午前、午後のどちらかだけとかもありますし、18時以降の取り調べなんてあろうもんなら留置所が「どうしたどうした?何があった?」とザワザワするレベルです。1日計2時間程度の取り調べなんてザラにあり、土日は取り調べ無しが普通、勾留期間の終盤には平日でも取り調べ無しの日も多かったです。
検事による取り調べもある
10日に1回くらいは検事調べと言って、検察庁へ出向き検事から取り調べを受けます。これは大体は20分くらいの状況確認くらいの意味合いが強いです。警察が不当な取り調べをしてないかや、警察からの報告が間違ってなさそうかを確認するくらいの印象を受けます。
取り調べがない時間はひたすら待機
取り調べがない時は房内で待機するしかなく、昼寝、雑談、読書などでひたすら時間を潰す、というルーチンになります。