いきなり早朝に警察が来る おはようピンポンとは

おはようピンポンのイメージ

逮捕される瞬間、というのはどういものなのでしょうか。諺で言えばまさに青天の霹靂が当てはまるかもしれません。まさか自分を調べていたとは…いずれ警察のお世話になるかもとは思っていたがもう動いていたとは…どこで自分に目をつけたの…こう思う人も多いのが、逮捕の実情です。

通常逮捕と現行犯逮捕、緊急逮捕

警察が行う逮捕には色々種類があります。逮捕の違いについて知っておきましょう。

通常逮捕

警察が容疑者として目をつけ、色々と調べます。証拠が揃い出し「よし、これであれば逮捕できる」と判断すると裁判所に逮捕令状を請求し発行します。その逮捕状を持って容疑者の元に行き、逮捕状を執行し逮捕に至るパターンです。

通称「つうたい」と呼ばれるのがこの逮捕のことです。

現行犯逮捕

逮捕状はないけどその場で逮捕するパターン。突如起こった暴行事件や痴漢などは、そこに犯人がいるのでわざわざ逮捕状を請求せず、その場で逮捕します。

通常逮捕と異なり、事前に詳しく調べてるわけではなく証拠も揃ってないので、取り敢えず逮捕するという逮捕種別です。不起訴になったり警察からの説教だけで釈放されるという展開も多いです。

緊急逮捕

逮捕令状を発行すべく捜査を続けていたが、容疑者が捜査に気づき逃亡なり証拠隠滅なりをしようと行動した時、ヤベエ!となって逮捕令状なしで取り敢えず逮捕できるシステムです。逮捕の割合として緊急逮捕は少ないです。

おはようピンポンの実態

逮捕状を用いた通常逮捕はどのようなタイミングでどのように行われるのか、というのをこの見出し内で説明していきます。

逮捕のための訪問は平日の早朝、時間ピッタリ

通常逮捕を行うために警察官が家にやってきます。その時間は平日の朝、しかも7時ぴったりとか、8時ぴったりにピンポンを鳴らしてやってきます。 私は午前7時ぴったりにピンポンが鳴りました。生活リズムも把握されているので7時には通勤のために家を出る人であれば6時などに設定されます。

そして刑事とご対面すると、朝なので「おはよう」と挨拶頂けます。これが早朝の通常逮捕を「おはようピンポン」と呼ぶ起源となっています。

なぜ平日なのか?理由は土日は警察も休みだからです。もちろん警察としての機能は土日も動いてますが、非番の人が多く警察内の人数も少ないです。

また検察も裁判所も土日は営業していないところが多く、なにか確認したり、別の令状を発行する必要性が出てきた時に迅速に対応できない、というのも土日逮捕が避けられる要因と思われます。

何故早朝なのか?警察も17時になると帰る人が多いので、早朝に逮捕したほうが警察内部の処理がスムースに進みます。夜中に逮捕すると警察に人がいなくて勾留手続きや指紋採取手続きが進まない、とかも起こりえます。

他の理由としては早朝のほうが単純に在宅率が高いという警察の都合があるのと、早朝だと家の外に人も少なく逮捕を周りの住人に知られづらいという警察からの謎の配慮があります。

居留守は無駄、逃げても無駄

朝7時ぴったりにピンポンが鳴る、寝てるので無視しても鳴り続ける。「あ、警察かも」と感づくのは難しいことではありません。取り敢えずの難を逃れるために居留守し続けようとしても無駄です。早朝に通常逮捕する場合は前日夜から自宅付近に刑事が張り込んでおり自宅に居ることを確認されてます。一生ドアを叩かれ続けます。

ドアと反対側の窓から逃げよう。無駄です。窓の外には刑事が張り付いています。逮捕の際は、その事件を担当している刑事以外に応援の刑事が複数人帯同します。部屋の立地や容疑者の人柄なども考慮するでしょうが、大体5人~10人くらいで逮捕しにきて、脱出経路は防がれているので逃げるのは不可能に近いです。

実際は家宅捜索→逮捕状の流れが多い

ガチャっとドアを開ける、刑事が立っている、逮捕状を見せられる、はい逮捕、という流れが逮捕を経験したことのない人のイメージだと思います。ドラマでもそういう描写がほとんどですね。実際は違っていて、まずは家宅捜索令状を見せられる場合が多いです。

警察は取り敢えず家宅捜索令状で自宅に入って証拠品を押さえていきます。自宅の中に証拠というものは、割とどの事件にもあるものです。窃盗事件であれば盗んだもの、暴行事件であればその時に着ていた服、恐喝事件であれば被害者とLINEしていたスマホ、薬物であればクスリそのものや注射器、なにかしら証拠があるのでそれを押さえるのが逮捕の際の前段階です。

それらを押さえた上で「逮捕状もあるよー」と後出しで逮捕状を出されて逮捕、ということになります。

いつ逮捕されるかは全く気づけない

警察からすると、容疑者に逃亡や証拠隠滅されることが一番めんどくさいので、とにかく気付かれないように捜査を進めます。逮捕されるまで自分が調べられていたなんて全く思いもしなかった、とか、まさか自分に目をつけているなんて、という感想を持つ被逮捕者も多いですね。

自分の知人や職場の人に聞き込み調査する、自分の周辺をウロウロしてる刑事が居る、刑事が一度訪問してきて事情聴取された、こんなことはまずないです。容疑者本人に捜査してることが気づかれてしまうので。

やましいことがあって警察が来るかもしれない、でもそういった動きも感じないし当面は大丈夫かな、こんなふうに思っていると早朝に突然ピンポンが鳴るわけですね。

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